敦士という男が危険人物だということはわかっていたけど、ここまでだとは思わなかった。
見ているだけでわかるほど、彼の拳は重い。
一発喰らっただけで、一人は再起不能になって地面に転がっている。
「……っ、くそ! 調子のりやがって!!」
男を睨みつけた敦士が、左足を軸にして見事な足蹴りを喰らわると、男は潰れたような声を上げる、
動きが素早いだけじゃなく、反射神経もいい。それに洞察力にも優れていて、相手の動きを予測して防いでいる。
「弱いくせに」
煽るように笑いながら相手の動きに合わせて身体を動かし、拳を喰らいそうになる直前でひらりと回避していた。
そして、拳を男の腹に入れると地面に叩きつけるように空いているもう片方の手で背中を殴る。男はそのまま地面にひれ伏させた。
三分もしていないくらいの間で喧嘩を終わらせた敦士は、呆然と立ち尽くしている私の腕をぐいっと引っ張ってくる。
「保健室と俺んちどっちがいい」



