「覚悟はできてんだろうな」
「できてるわけないだろ」
普通の女子高生が、こんな物騒なことに巻き込まれて覚悟ができているわけがない。こっちだっていっぱいいっぱいだ。
男は私に詰め寄ってくる。カバンを振り回して距離をとろうとすると、すぐに男が私の手首を力強く掴んできた。
「っ、」
「やっぱ気絶させて連れていくべきだったな」
あまりの強い力に、顔を歪ませる。私の腕折れるのではないかと思ってしまうほどだ。
けれどそんな中、視界にちらつく赤色に苛立ちと安堵がこみ上げてくる。
すべてはあんなやつらに関わったからだ。
私は田中くんとのほほん学校生活を過ごしたいのに。
まあでも……田中くんがこれ見たら、“御愁傷サマ”って言うのかもしれない。



