たすけて!田中くん




結局、男達は悩ましげに「とりあえず連れて行ってみるか」という結論をだした。

私に抵抗する様子が見られないことに安堵したのか、私の周りにいる男は三人に減っている。大人数で移動すると目立つので、そのことも避けたいみたいだ。


それでいい。と私はほくそ笑む。

前に一人、左右に一人ずつ。

さて、どうしよう。と男たちの表情や視線を確認する。


先ほどの道を出て、逆走していく。駅の近くに差し掛かった時、勝機が見えた。

ここは学校の最寄り駅。逃げ道なんて自分で作ればいい。


鞄を開けると、1人の男が横目で確認をしてきたけれど、出てきたものがペットボトルだと気づきすぐに目が逸らされた。


炭酸のペットボトルの蓋をプシュッと爽快な音を立ててあける。

そして、空いた手を鞄の中に突っ込み、卵型のある物を見つけると、指先で形を確認する。


これで準備は万端。

自分の中での合図と同時に紐を引き抜いた。

その瞬間に鳴り響く大きな警鐘音。