「無理するなよ? 俺、お前に助けてもらった恩があるし……何かあったら力になるから」
清水くんが子犬のような可愛らしい顔でじっと見つめてくる。
あまりの愛くるしさに不覚にもどきっとした。
「わ、私には田中くんという心に決めた人が……っ」
私にとって田中くんは一番の友達のはずなのに、清水くんのことも守ってあげたいと思ってしまう。またあの女の先輩たちがきたら止めに入ってしまうかもしれない。
「え、あ、そうだったんだ。なんだ。嫌ってわけじゃないんだな。……けど、やめたほうが」
敦士たちは仲間内で私の友人のことも共有しているらしく、田中くんのことを知っているような口ぶりだ。やっぱりこのままだと田中くんも危険な気がする。
「てか、やめたほうがってなに!」
「いや、だって」
「田中くんに手は出さないでよね!」
「へ!? ださねぇって! 俺、男だし!」
むしろ男だから力づくてなにか危害を加えられる可能性が高い。百瀬さんが仲間にいるんだし、女の子の方が加減してくれそうだ。
とにかく、田中くんは私が守ってみせる。
「私、絶対負けないから」
改めて決意を言葉にすると、何故か清水くんの顔色が悪くなった。



