たすけて!田中くん



「……喜久本」

掠れて消えてしまいそうな弱々しい声。それを聞いて、ため息を吐いて目を閉じた。

もっと強い意思表示をしないと、彼女たちが食い下がるように思えない。


「聞こえないよ」

冷たい眼差しを向けると、表情を強張らせた清水くんが真っすぐに私と目を合わせた。


そして、すぅっと息を吸込み

「お前と行く」

とはっきりと聞こえる声で言った。


その言葉に先輩達が目を大きく見開き、顔を歪めながらどよめきだす。



「じゃ、こっち」

清水くんはこちらへ寄ってくると、伸ばした私の手を掴んで一階の窓から図書室へと逃げ込んだ。

よっぽど怯えているのか、即座に窓を閉めて鍵をかけて、すぐにしゃがみ込む。