たすけて!田中くん



姉の美波ちゃんは私と比べれば女の子らしいし、弟の潮なんて女の子よりも女子力高い。

私は幼い頃から泥だらけになって外で遊ぶタイプ。ふたりとは違って、裁縫とか細かい作業も苦手でガサツだと言われてきた。

「三人いるんだから、一人くらい曲がってみた方が育てがいあるからじゃない?」

「他人事みたく言うな」

「みんな違ってみんないいと思う」

「それはお前の場合は、問題ありすぎだろ」

目を細めて、私を見下ろしてくるサトシは心底嫌そうだ。

そんなに嫌なら私に話かけなければいいのに。


「てか、そうじゃなくて他校のやつをしめたんだろ?」

「……ああ、あれは正当防衛」

サトシの耳にも届いていることに少し驚いた。敦士がわざわざ言ったのだろうか。


「いや、お前の場合、たぶん正当防衛の度を超えてることをしてるだろ」

「見てないくせに決めつけないで」

「希がビビってたし!」

希?と首をひねると、サトシが「清水希だ」と教えてくれる。そういえば、朝に出会ったかわいらしい外見の男の子がそんな名前だった。