たすけて!田中くん



「暢気過ぎ。いつか本当に危ない目に遭っても知らないよ」

「でも……」

「なんか脅されてる?」

「それは、その」

田中くんの目が鋭くなり、不気味な微笑みを浮かべる。

笑顔のレア田中なのに、なんか……怖い。



「なに。言え」

更にぐっと顔を近づけられて、心臓が跳ねた。けれど明らかに田中くんが怒っているようにも見えて、背中には冷や汗が伝う。


「きょ、今日の田中くんはずいぶんと積極的だね?」

「ふざけたこと言ってないで、吐け」

腕を掴んでいた田中くんの手が私の頭に移動し、こめかみを掴んでくる。


「い、痛いんですけど! ひ弱そうなのに案外力が強い!」

「うるせぇ。聞こえなかった? 言え」

「もっ……百瀬さんと仲良くしなかったら、周りの人がどうなっても知らないよって」



田中くんの眉がぴくりと動いた。そして笑みが深まり、恐怖に体がぶるりと震える。