たすけて!田中くん



「あ、おはようございます」

とりあえず、しれっと朝の挨拶をしてみる。どうやって誤魔化そう。


「遅刻する前に早く行かなくちゃ」

銀髪から離れるとスタンガンのスイッチを切り、慌ててカバンの中にしまった。一刻も早くここから逃げなければいけない。


「それ、お前がやったのか?」

すっかり私に怯えきっている銀髪のことを指しているのだろう。


「ひ……っ、お前、た」

「黙って」

喋ろうとする銀髪を冷酷な眼差しで見下ろすと、ハッと目を見開いた。


「聞いてんのか、凪沙」

「私じゃないです。やったのは、彼! 清水くん!」

振り返り、清水くんを敦士の前に立たせる。

実際緑髪の男は清水くんが倒したんだし、銀髪は別に倒したってほどでもない。


「本当か? 希」

「え? あー……まあ、そこの緑の」

「清水くんがいてくれて助かりました! ありがとう!」

彼が詳しいことを話す前に言葉でねじ伏せるようにして、笑みを向ける。すると清水くんが勢いに圧倒された様子で、「お、おう」と頷いた。