「なんで男に触らせてんの?」
「ん?」
「俺が嫌がらないとでも思った?」
「え? 柳さんのこと?」
きょとんとした表情で瞬きをくりかえす凪沙が、なんかかわいくてムカついてきた。
「田中くん?」
「あとさぁ、なんでさっきから田中くんって呼んでんの」
「へ?」
「違うよね。俺の呼び方、それじゃない」
せっかく下の名前で呼ぶようになったのに、なんで戻ってんだよ。
「俺も喜久本って呼ぶよ?」
「えっ!」
「それが嫌なら……呼べるよね?」
凪沙の頬に手を添えて、そのまま髪の毛を耳の後ろ側に掻き上げる。
「ほら、呼んで」
わざと耳元で息がかかるように言うと、凪沙がびくりと肩を震わせたのがわかった。
反応が面白くて、更に親指で凪沙の唇を撫でてみる。



