「田中くんが……好き」
自覚したばかりだけど、多分ずっと特別な感情を抱いていた。
鼻の奥がツンと痛み、視界が歪んでいく。
その涙を隠すように俯いた。
「き、きのう気づいたばっかり、なんだけど……っでも」
「……昨日って、いつ」
「プールで……」
今にも逃げたしたいくらい恥ずかしい。
告白ってこんなに緊張するなんて知らなかった。
「……アイツらに対してすげー腹立ってたけど、そこだけは感謝」
「え……」
「喜久本、顔あげて」
戸惑いながらもゆっくりと顔を上げると、少し照れくさそうにしている田中くん。
そんな表情されると、更に鼓動が加速していく。
「……俺、面倒くさいけどいい?」
頬に手を添えられる。
「わ、私こそ女子力ないけど……」
「知ってる」
「し、知ってるって……!」
怒りたいところだけど、クスっと笑う田中くんがかっこよくて反論ができない。
「で、ゆたとか兄貴と何してたの?」
「え……あ、ええっと」
「へえ、言えないこと?」
メガネを外した田中くんは、がざごそとポケットの中から何かを取り出して、飴玉みたいなものを食べた。
「田中くん、メガネなくても見えるの?」



