「田中くんの好きな人って誰……?」
「まだわかんねぇの?」
田中くんは、ふっと困ったような笑みを見せる。
「私、なの?」
田中くんの好きな人って百瀬茅織じゃなかったの?
「……ああ」
「ああって、」
「好きだよ」
「っ」
熱っぽい瞳で見つめられながら、想いを告げられる。
逸らしたいけど、逸らしたくない。
こんな田中くん、初めて見た。
「本当は放課後にちゃんと言うつもりだったけど……他に好きなヤツいるって言われても、諦めきれない」
呼吸が苦しくなるくらいドキドキしている。
じわじわと頬が熱くなり、言葉がうまく出てこない。
「わ、私も」
ようやく出た言葉はぎこちなくて、声が震えた。
きょとんとする田中くんの手に自分の手を重ねる。



