「……俺に傾く可能性はないの?」
息を止めて、目を丸くする。
聞き間違えかと思ったけれど、田中くんはじっと私を見つめていた。
「あの、」
「あんな風に巻き込んだし、俺ともう関わりたくないかもしれないけど」
「た、田中くん……ち、ちょっと待って!」
……なにこれ、どういうこと?
真剣な表情をしながらも、ほんのりと頬が赤い気がする田中くんはからかっているようには見えない。
俺に傾くって……私のいいように解釈してもいいの?
「私、関わりたくないなんて思ってないよ」
その言葉に田中くんはほっとしたように笑みを浮かべた。
「これから先、なにかあったら俺に言って。今度こそちゃんと守るから」
どくんと、昨夜のキスのときとはまた違った胸の高鳴りが私に押し寄せてくる。
こんなこと言われたら、馬鹿な私も本気で自惚れてしまう。



