「ふーん? 消毒、ね」
「じ、自分が言ったんでしょ!」
「なんでわかんねぇの?」
「え……え?」
眉間に皺を寄せる田中くんと視線を交じりあわせながら、頭の中に疑問符がいくつも浮かび上がる。
「俺が茅織から兄貴と二人っきりでいたって聞いて、どんだけ焦ったか」
「焦るって……」
「お前の好きなやつって誰」
「な、なんで」
田中くんの口から出てきた言葉にひやりとした。
なんでこのタイミングで、そんなこと聞いてくるんだろう。本人の前で答えられるはずない。
「どんなやつ」
「だ、だからなんで!?」
「本気で好きなわけ?」
「そう、だけど」
好きって気づいたのは昨日だけど、目の前にいる田中くんが好きで、近くにいるだけで心臓が騒がしくなる。
こんな女子力の欠片もない私が、恋愛をしているなんてむず痒くて感覚になかなか慣れない。



