「意外だなー、昨日自覚したんだ。てっきり既に自覚してるのかと思ってたよっ」
「え?」
首を傾げる私にゆた先輩が困ったように眉を下げて、膝の上に頬杖をつく。
「俺が初めて声を掛けたとき、静に仲の良い子だって知ってたんだ。それで君を利用して巻き込んで静を無理矢理こっちに引き込もうとしたんだよね」
「……利用した本当の理由ってそれですか」
「うん」
田中くんの言っていたことは当たっていた。
百瀬さんの身代わりではなく、田中くんを自分たち側に引き入れるために私を巻き込んだんだ。
いつのまにか私は人質になっていて、脅されていたのは私じゃなくて田中くんの方だった。
それをわかっていて田中くんは、離れた方が良い。俺のことは気にするなって言っていたんだ……。



