「大事なのは真剣に想っているかどうかなんじゃないですか?」
ずっと同じ人を好きだとか、そういうことよりも真剣に相手を好きかどうかが大事だと思う。
たとえ短い恋だったとしても。
この人は、自分に向けられる一途さを欲しがっているのに誰にも与えていないように感じる。
「それに想われたいなら、自分が誰かを大事に想わないと。与えてもらうのを待っていちゃダメだと思います」
ゆた先輩が僅かに目を見開いた。
そして、ふっと力なく微笑む。
「静のどこを好きになったの?」
「多分……本当は前から惹かれていたんだと思います。けど、自覚したのは昨日です」
「え、昨日?」
「どこがってよりも、気づいたら好きだったんです」
なんか自分の顔が熱い。
ゆた先輩に話しているのが、むず痒くなってきた。恋をしているってすごく変な感じだ。



