「怖くないの? 好きな人に嫌われちゃうかもしれないんだよ。拒まれちゃうかもしれないんだよ?」 「離れていかれる方が、私は怖いよ」 田中くんが抱え込んで、一人で苦しんで周りと距離をとっていく方がずっとずっと怖い。 寂しい想いを抱え込んで壊れてしまいそうな方が怖い。 「……そっかぁ」 ぽろりと涙を一筋流した百瀬さんは悲しげに微笑んだ。 その笑顔はいつもよりもほんの少し大人びていた。