たすけて!田中くん



「正直色々腹が立ちましたけど……でももういいです」

巻き込まれて散々だったけれど、田中くんの秘密も知ることができた。

それに私は自分の想いを自覚できた。

……失恋で終わるとしても、気づけてよかった。



「わー……すごいタイミングに来ちゃった?」

ドアを開けて入ってきたのは、ゆた先輩と百瀬さんだった。

敦士の本音を聞いていたので、私たちの間には甘い空気なんて一切ないのだけれど、第三者から見れば敦士が私を組み敷いている。



「え、あの、これは」

どう説明したらいいのやらと戸惑っていると、敦士が舌打ちをして私から離れる。


「邪魔すんなよ」

からかっていただけのはずなのに、そんな説明もせずに敦士は気怠げにゆた先輩を見やる。


「……なんでここがわかった」

「敦士が凪沙ちゃん追ってるって茅織から連絡もらってさ。なーんか危険な気がしてね」

ここは俺の場所とか言っていたくせに、本当は私のこと追ってきてたんだ。