たすけて!田中くん



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翌日の昼休み。私は教科書を閉じて、重たいため息を吐く。


……清々しい陽気とは裏腹に気分は憂鬱だ。

昨日は帰ったら親と姉、弟からそれぞれお説教をくらった。

連絡もせずに遅くまでで歩いていたことに関してと、日頃の行い等引っ張りだされて夜中まで叱られ寝不足気味。


弟にだけは少し事情を話してシャツのボタンを付けてもらうことになったけれど、その代わりチクチクと叱られた。

「昔から危ないことに足を踏み入れるのはどうかと思う」なんて可愛らしい顔で怒られて、にやけてしまったら更に怒られた。


とりあえず昨晩はお説教ばかりで、あまり眠れていない。

大きなあくびを漏らすと、目尻に涙が浮かぶ。


「ねむ……」

今日は何故か田中くんが休んでいる。

ちょっと顔会わせにくかったから、ほっとした気持ちもあるけれど、放課後約束はどうなったんだろう。


空腹よりも眠気がまさったけれど、教室は少し騒がしい。

そのため、ひと気のない二階端の物置部屋みたいなところに入って、私は仮眠をとることにした。