「幼馴染みのやつらも大事だったけど……俺にはアイツと同じように暴れるのはもう嫌だった。だから、俺は喧嘩することをやめた。そしたら、みんな……離れていったけどな」
「え……」
「希もゆたも茅織も、暴れてるアイツの方が心配だって」
すごく寂しげに伏せられる田中くんの瞳。
いつも毅然としている田中くんの見せる弱さに感情が揺さぶられる。
「俺はひとりでも大丈夫かもしれないけど、〝敦士は違うから〟ってさ。ああ見えて弱いって。……俺だって別に平気なわけじゃなかったのにさ」
「田中くんも……本当は寂しかった?」
なにも言わなかったけど、その元気のない微笑みが答えな気がした。
「俺も結局アイツを放って置けないから、同じ高校を選んだ。後悔したこともあるけど。でも今となっては良かったって思う」
「なんで?」
「喜久本に会えたし」
胸の奥にじんわりと広がる温かい言葉に息を飲む。
こんなの勘違いしそうになるから、やめてほしい。けれど嬉しさを隠すことができない。



