……この人、本当に軽い。チャラい。
なんて思っていると、今度は田中くんに私の手が奪われた。
「触んな」
苛立ちを含んだ声に私がびくりと体を震わせてしまう。
「お前がなんて言おうと俺が送ってく」
「あ、ちょ……っ」
「うーわ、静ってば大胆〜!」
ゆた先輩の言葉に耳を傾けることなく、機嫌の悪い田中くんが私の手を強引に引っ張って階段を下っていく。
田中くんの気持ちが読めない。
どうしてこっちに来てくれたの?
……田中くんの気持ちを知るのが怖い。そしたら、もう戻れない気がする。
どうか私の想いがバレませんように。



