後ろからぐっと腕を引かれて振り返る。
僅かに目を見開いたけれど、すぐに目を細めた。
すぐそばには田中くんとゆた先輩の姿。
追ってこなくていいのに。一刻も早く立ち去りたい。
「……なに?」
「一人じゃ危ない」
田中くんとゆた先輩が、私の顔を見ると驚いた表情になる。
あ、やばい。涙出てたんだった。
「……俺が送ってくから」
「いーや、ここは俺の方がいいよね? 凪沙ちゃんっ」
今は田中くんとふたりになりたくないし、かといってゆた先輩と一緒に帰るのも抵抗がある。
さっきのことがあるから放って置けないっていうのはわかるけれど、一人になりたいのに。



