たすけて!田中くん

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田中くんのジャージを渡されて、誰もいない隣の教室で着替える。

私にジャージを渡しちゃったら私をろぶった田中くんだって濡れている はずなのに「俺はいいから」と言ってジャージを貸してくれた。

他人のジャージを着るのはなんだか不思議な感じで、 ジャージから香るこの匂いは田中くんのものなんだって考えてしまうと一気に恥ずかしくなってきた。



「うあああぁあ……っ!」

なに考えてんだ。私は変態か!と心の中で突っ込みながらも、頬の火照りがおさまらない。


……でもちゃんと聞かなければいけないこともある。

田中くんが何者なのか。

どうして喧嘩に参戦してたのか。

このままうやむやにすることもできるけれど、私は田中くんのことがもっと知りたい。……近づきたい。