「だって、田中く」
「口開くなって言ったの聞こえなかった?」
言い返す前に、私の唇は奪われてしまった。
角度を変えて啄むように繰り返される行為に混乱して、身体の力が抜けていく。
膝から崩れ落ちそうになると、私の背中に手が回されて田中くんに支えられる。
けれど、唇は重なったまま。離れる気配がない。
「ん……ぅ、っ」
甘く痺れていく感覚に呼吸が上がっていく。
心臓が破裂するんじゃないかってくらいドキドキとして、自分以外の温度が流れ込んでくる。
初めてのことに、私は酸欠になりそうで必死に田中くんにしがみついた。



