「いや、馬鹿なの喜久本」
その口調、その声は確実に聞き覚えがある。
けれど、ないのだ。
彼のチャームポイントが。
「メ、メガネがないってことは別人だ……」
「いや、同一人物だから」
すかさず入れられるツッコミ。この既視感。
「たっ、田中くんなの!?」
「じゃなかったら誰なの」
だって、メガネがないし、髪の毛くしゃってなってるし、いつもより……大人びた表情で色気全快だ。
「まさか……田中くんって敦士たちの仲間なの?」
プールサイドに倒れていたのは田中くんが倒した連中ってことだよね?
細い身体でそんな力があったの!?



