たすけて!田中くん



考えるんだ。

こんな男の好きになんてさせたくない。屈したくない。

力で勝てないのなら、弱点を探すしかない。


力を振り絞って、男の鼻を思いっきりグーで殴る。
さすがに鼻は痛かったらしく、男は顔を歪ませた。

「……っ、てめぇ!」

油断していた男の手を振り解いて、勢いよく突き飛ばす。そして男の急所を蹴り飛ばした。


「う、ぁ」

体を折り曲げて悶えている男を見下ろしながら、畳み掛けるように今度は近くにあったバスケットボールを投げつける。

何個も投げつけて、息を切らしながら「ふざけんなっ!」と怒りをぶつけた。



都合良く現れる王子様? そんなのは、いない。

私はドアが開くのを待ったりしない。



ドアは自分で蹴破る。

怖くて震えていた手をぐっと握りしめて、自分で拓いた外へと脱出した。


必ずここから逃げてやる。