今、この外では敦士たちが闘っている。私を捜してくれているかもしれない。
もう少しで見つけてくれるかもしれない。
「……っ、」
殴られることを覚悟して、思いっきり助けてって叫べば聞こえるだろうか。
あれ、私ってこんなんだっけ?
諦めるように目を閉じて、浅く息を吐いた。
……昔読んだ少女漫画の光景がふと頭に過る。
その物語はこんなときイケメンヒーローが駆けつけてくれて助けてくれるんだ。「大丈夫か?」なんて言って、泣きじゃくるヒロインを抱きしめてたっけ。
タイトルは……もう忘れちゃったな。
カチカチと目の前の男が興奮気味に頬を赤らめて荒く呼吸をしながら、ベルトを外していく。
男が私の手を無理矢理に掴み、自分の方へと持っていこうとする。
目に涙の膜ができて、呼吸が震えた。
誰かがこんな時に都合良くドアを蹴破って現れる?
夢物語を信じるような乙女ではないでしょ、私は。
ここは甘い世界じゃない。
私にイケメンヒーローはいない。
誰かに守ってもらう? 助けてもらう?
私はヒロインじゃない。



