たすけて!田中くん



————痛い。

殴られた腹部の痛みに眉を寄せる。多分痣になっていそうだ。

目を開けて辺りを見回すと、薄暗い。
完全に真っ暗ではないのは、上のほうにある小窓から月明かりが差し込んでいるからだ。どうやらすっかり陽が暮れているようだった。

それに汗と埃の匂いがする。……ここはどこだろう。


少しずつ目が慣れてきたので、よく観察してみる。

下には硬い素材の布団みたいなものが敷いてある。……これ体育のマット? それにバスケットボールやバレーボールが入ったカゴがある。


ここは学校の体育倉庫だろうか。

気を失った私を他校まで運ぶのは大変だろうし、おそらくはうちの学校だろう。

ドアの前に見張りは二人立っている。呑気にあくびをしながらスマホをいじっていて、私のことを全く警戒していないようだった。

起きたことに気づかれないように目を閉じて、ここからの脱出方法を考えてみる。