階段を駆け上がり、逃げ場を探す。とりあえず近くにあった音楽室へと入った。確かここは鍵が内側からかけられるはずだ。
「よし」
記憶通り、鍵がついていたため施錠する。
曇りガラス越しに姿が映らないように念のため部屋の奥の方で隠れるようにしゃがむ。
はあ……やっちゃった。助けてしまった。
結局また関わってしまったことに落ち込みながらも、ちらりと隣を見やる。
「それで、誰に追われてたの?」
息切れしている百瀬さんが、涙目で私のことを見つめながら手を握ってきた。
「ええっと……?」
はぁはぁ……っと荒く呼吸を繰り返しながら、百瀬さんが搾り取るように言葉を発する。
「な、ぎちゃ……ありがと……っ」
あれくらいでこのバテ具合なんて、かなり体力がないらしい。頬が真っ赤に染まっていて、涙目になっている。
あのグループにいれば喧嘩に巻き込まれることなんてしょっちゅうだっただろうし、本当に今まで守られるだけだったんだろうな。
「百瀬さん、追われてた事情を詳しく教えて」



