「……心配してくれてありがとう」
なんだかんだ言って田中くんは、友達である私のことを気にかけてくれるもんね。
ぶっきらぼうだけど優しいことわかってるよ、田中くん。
ああ、それにしても紺色のマフラーも似合ってる。
「勘違いしないで」
「え?」
田中くんがため息を吐いて、私から視線を逸らした。
「喜久本じゃなくて危ないのは相手側だ」
「ちょ!? おかしくない!? それおかしいよね!」
「水鉄砲で攻撃して、画鋲でまきびしの方がおかしい」
「うっ」
「よって喜久本に同情する余地なし」
少しくらいひとりで乗り込んで怖かったね?とか言ってくれたっていいのに。
結構危険なことをした自覚はあるけれど、失敗して返り討ちにあう可能性だってかなり高かったんだから。
「喜久本」
「……はい」
「お前、マフラーもちゃんと巻けないの」
ちらりと横目で私を見やった田中くんが目の前で立ち止まった。



