「いつまでそうやって生きて行くつもりだよ!」
「へっ?」
百瀬さんは私に睨みつけられたことに驚いたように目をまん丸くしてから、ぽろぽろと泣き出してしまう。
「見ているだけ。守られているだけ。事が終わるのを待っているだけ。女は守られるべき存在とか思ってんの? あんたがぬくぬくしてる裏で大変な思いをしているやつだっているんだ。私はお前みたいな女にはなりたくない」
こんなお姫様の代わりに私が嫌がらせを請け負っていたなんて、馬鹿みたいだ。
「凪沙」
床で尻餅ついている清水くんが困惑した表情で私を見上げてくる。
清水くん自体は嫌いじゃない。
だけど、ここの人たちとは関わりたくない。利用なんてされてたまるか。
「私に、もう二度と近づかないで」
最後に敦士を睨んでから、思いっきり教室のドアを閉めた。
ドアを閉まる瞬間——
「お前は何にもわかってねぇな」
そう聞こえた気がした。
あの低くて威圧感のある声で。



