「なんのつもりだ! 凪沙!」
「転んだら、痛いよ?」
一番近くまで近づくことに成功していたサトシが、足下に視線を向けて青ざめていく。
「ひっ! お前、それは……」
ああ、これも小学生の時にやったことあったね。
思い出したのかな。
「なつかしいねぇ、サトシ」
「ひっ!」
ただ笑っただけなのにサトシは怯えた顔をしている。
ちらりと百瀬さんを見ると、敦士の腕に巻き付いて怯えているようだった。
その光景にため息が漏れた。本当誰かに縋りついて助けてもらうのが当然になっていて、今も誰かが自分を守ってくれるって思っているのだろう。
敦士が顔面に水鉄砲浴びていても、驚いて見ているだけだった。止めようともしなかった。怒ろうともしなかった。



