水鉄砲を構え、狙いを定める。
次はゆた先輩の顔面に向かって水鉄砲を発射する。気づいた時には既に遅い。この水鉄砲の威力は相当なものだから防ぎきれない。
「っ!?」
容赦無く、百瀬さんにも発射していくと、「きゃあ!」なんて可愛らしい声を出した。
さすがにお姫様を攻撃したことに男たちは怒ったらしく、私を捕らえようと近づいてくる。
「てめぇっ!」
けれど、男たちはずるりと足を滑らせて床に転げてしまう。
「い、ってぇ!」
「っ、な、なんだこれ……っ!」
さっき私があるものを床に流したのを忘れていたのか、無惨な転び方だった。
床を人差し指で触った清水くんが匂いを嗅ぎ、眉間に皺を寄せる。
「これ……洗剤?」
彼の言う通り、バケツいっぱいに洗剤を注いで床に流した。
この教室の入り口付近は、かなりつるつる滑るだろう。
私に近づくのは困難。
ゆっくり近づこうとするもんなら、直ぐ様威力の強い水鉄砲で攻撃してやる。
「よくも大事な友達を脅し材料に使って、私を利用したな」
慌てもせず、ただ静かにソファに座っている敦士を睨みつける。こんなときでも敦士は顔を崩さない。この人はどんなときに慌てたりするのか想像がつかないな。
さすがのゆた先輩も、この状況には顔を引きつらせているのに。
最後の敵に思いっきり水鉄砲を発射する。



