「な、凪ちゃん……利用って何の話してるの?」
「かわいそうだね」
「へっ?」
まったく意味がわかっていない様子で、百瀬さんは大きな瞳をうるうるとさせながら敦士やゆた先輩を見た。
彼女は目も耳も塞がれて、都合の良い言葉しか伝えられてこなかったのだろう。
だけど、自分から知ろうともしていない。
ここ最近一緒に過ごしていたからわかる。
彼女はひとりではなんにもできない。すべて周りがやってあげて、困っていたら誰かしらが声をかけてくれるのだ。
だけどそんなの考える力を奪っているようなものだと思う。
「誰にどう守られているのかも知らないで、呑気だね」
「凪沙! こいつに余計なこと言うな!」
サトシが庇うように百瀬さんの前に立った。
「あんたたちがそんなんだから、自分じゃ何にもできない子になるんだよ!」
ブシュッと水鉄砲をサトシの顔面目掛けて発射した。
「うわっ!? な、凪沙てめぇっ!」
サトシが青筋を立てて吠えているけれど、知ったこっちゃない。
「今までよくも利用したな!」



