たすけて!田中くん



「田中くん、だいすき」

「……は?」

「田中くん最高! うちの弟みたい!」



にっこりと微笑みかけると、何故だか田中くんの表情が苦々しくなっていく。

あれは明らかに不機嫌になっているときの顔だ。




「さっさと課題進めろ。日が暮れる」

「す、すみませんっ!」



鬼のような形相で睨まれて慌てて、再び布と向かい合う。

怯えながら裁縫再開するものの、ちらりと田中くんの顔色をうかがってみた。




むっとした表情で本を読んでいるけれど、耳がほんのりと赤い。


「田中くん、もしかして照れ」

「黙ってやれ」

「!?」

そんなに怒らせること言ったかな……。