「喜久本ってさ、本当女子力ないよね」
「うぐっ」
「裁縫、俺の方がうまいと思う」
田中くんは私の手元を見ながら眉を寄せた。そんなこと言われたって、苦手なものは仕方ない。人には向き不向きがある。
「どうせ女子力低いし。男みたいって昔から言われてたし」
ふんっと鼻息を荒くして、再びちくちくと縫いはじめる。
「男みたいなんて思ったことないけど」
「ふーん。そーですか」
「なにいじけてんの」
田中くんにしては珍しく刺々しくない優しい声色。ちらりと田中くんを見ると、目があった。
「かわいいと思うけど」
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