「ねぇっ!! あれっ……」

「えっ!? うそ……」



とある特別教室は,ざわめきに包まれていた。

教師ですら,それを咎めること無く驚いた表情をしている。

ー何で悟が起きてるの!?

それがクラスの総意だった。

いつでも寝ているわけではないだろうが,彼はいつだって体を伏せていから。





注目を一心に浴びる彼は,そんなこと全く気にしていない。

(何か眠くねぇんだよな……)

ただ,ぶつかった1人の女子の事を思い出していた。