「あの子はやっぱり,悟にとっての友達じゃなかったんだね……噂聞いて,おかしいと思ったの。好きだったよ悟。前言ったみたいに,ちゃんと幸せになってね。人生つまんないみたいな顔しないで」



噂……俺が友達になってとか堂々と言ったから,恋愛感情を疑われずに流れたもの。



「お前も,いいやつだから,俺より似合うやつにきっと会えるよ」



俺もそっと返すと,流蘭は当分いいと笑った。

くいっと袖を引かれて,振り返ると,楓がすがるように俺を見ていた。

何か勘違いしているようだった。



「ほらっちゃんとして! 不安にさせないの!」



背中を押された俺は口を開く。

流蘭はもういない。



「楓,好きだよ」