追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

本殿から川に突き出すように高床の舞台が伸びていた。

しばらくするとそこに巫女がふたり、正装で現れた。

それは彼女と母親で、祭りの客が見守る中、手に持つ神楽鈴を鳴らして舞いを披露する。

神楽を奉納する相手は川の神だ。

(私、この舞いを知っているわ。すごく懐かしい。この女の子は私なの……?)

そこからは意識が混とんとしてなにも見えなくなり、気づけば朝を迎えていた。

「モニカ様、おはようございます。入りますね」

ナターシャがタオルや水盆をのせたワゴンを押して入ってきた。

「あら? ランプのオイルが切れていますね。消さずに寝てしまったんですか?」

その問いに答えず、ムクリと身を起こしたモニカは眉を寄せる。

「なっちゃん、どうしよう。もしかして私、別の世界から来たのかも」

「え?」

ナターシャは目を瞬かせ、モニカに歩み寄るとその額に手をあてた。

おかしなことを言うので熱があるのかと思ったようだ。

「変な夢でもみたんですか?」

「う、うん……ごめんなさい。やっぱりなんでもないわ」

自分でも混乱していることを人に説明するのは難しく、笑ってごまかすモニカであった。