(精霊さんの力? それをもらえれば私でも大災厄を鎮められる?)
精霊がまた頷くと、チャプンと水音が聞こえる。
『だが足りん。汝には我の力を受け止めきれん』
(なにが足りないの? どうすればいいの?)
『思い出せ。この世界に転生した意味を知れ』
精霊は振り向かず、闇の奥へと去ろうとしている。
(待って! あなたの名前を教えてほしいの!)
手を伸ばして呼びかけても精霊は戻ってきてくれず、その姿は完全に見えなくなった。
それと同時にモニカは浮遊感を味わい、次の瞬間足元を失って体……いや、意識は急速に落下する。
悲鳴を上げて落ちたところは泉だった。
水の中にいるのに苦しくはなく、ぼんやりとした明るさがある。
ざわざわとした話し声がして振り向いたら、ゆらゆらと幻が現れた。
(あれは?)
家族だろうか、黒い髪と瞳を持った人が五人いる。
祖父と父親は着物に袴姿だ。
母親はエプロンをして、四、五歳に見える息子のご飯に納豆をかけてあげている。
娘はモニカと同じ年頃で、『とろとろ食ってると遅刻するぞ』と父親に叱られていた。
精霊がまた頷くと、チャプンと水音が聞こえる。
『だが足りん。汝には我の力を受け止めきれん』
(なにが足りないの? どうすればいいの?)
『思い出せ。この世界に転生した意味を知れ』
精霊は振り向かず、闇の奥へと去ろうとしている。
(待って! あなたの名前を教えてほしいの!)
手を伸ばして呼びかけても精霊は戻ってきてくれず、その姿は完全に見えなくなった。
それと同時にモニカは浮遊感を味わい、次の瞬間足元を失って体……いや、意識は急速に落下する。
悲鳴を上げて落ちたところは泉だった。
水の中にいるのに苦しくはなく、ぼんやりとした明るさがある。
ざわざわとした話し声がして振り向いたら、ゆらゆらと幻が現れた。
(あれは?)
家族だろうか、黒い髪と瞳を持った人が五人いる。
祖父と父親は着物に袴姿だ。
母親はエプロンをして、四、五歳に見える息子のご飯に納豆をかけてあげている。
娘はモニカと同じ年頃で、『とろとろ食ってると遅刻するぞ』と父親に叱られていた。


