追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

バンジャマンはチラリとモニカを見てから、口元に笑みをたたえて手元に視線を戻した。

「少しはわかってきたようじゃの」

「なにをですか?」

独り言だったのか別のことを問われる。

「それでお嬢さんは、精霊の声を聞けたのか?」

「それはまだ……あっ」

まだ聞こえないと答えようとして、空耳と結論づけた不思議な声を思い出した。

「誰かに呼びかけられた気がしたんです。あれはもしかして水の精霊だったんでしょうか?」

「きっとそうじゃろう。今後もお嬢さんが感じるままに力を使いなされ。もっと声が聞こえるようになるじゃろう」

「はい、わかりました」

バンジャマンが言うならそうなのだろうとモニカは信じた。

けれども前聖女を知っているというのはいまだに謎である。

食事を終えた親子が代金をテーブルに置いて「ご馳走様」と店を出て行ったら、急に静かになる。

皿洗いを全て終わらせてからモニカは疑問について尋ねてみる。

「バンジャマンさんはどうして前聖女をご存じなのですか? もしかして三百年以上生きているんですか?」