追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

特に色の好みはないが、しいて言うならモニカの瞳と同じマリンブルーだろう。

何色が好きかというダリアの質問がくだらなく感じ、その時に彼女が着ていたワインレッドのドレス以外の色を口にした。

君に好意はないと示すためで、赤以外なら何色でもよかったのだ。

(気が変わって今は緑色が好きだとでも言ってやろうか)

そうすれば彼女の衣裳部屋のドレスは紫から緑に変わり、街の仕立て屋も商売繁盛で喜ぶだろう。

そう思ったが面倒くさくなり、冷めた目で無感情に答える。

「ああ、よく似合っている」

ダリア相手に意地悪をする気にもならない。

モニカならどんな反応をするだろうと、色々仕掛けてみたくなるのだが。

したたかなダリアでも、シュナイザーがそのような気持ちでいることまでは読めなかったようだ。

「嬉しいですわ」

口元に手を添えての微笑みは本物のように見える。

皇帝の気を引くことに成功したと勘違いして喜んでいるようだ。