ロストブでは教会の言いなりで動くマリオネットのようであったのが、ここに来て急に糸を切られたので心細くなったのだ。

(考えるのって苦手よ。でも……やってみたい。自分の人生だもの自分で考えないと)

唇を引き結んで顔を上げると、麻痺していた心がゆっくりと動きだした。

それに伴い、あどけない少女のようだった顔つきが少しだけ大人びる。

「帰るぞ」

目的を達成したかのような満足げな笑みを浮かべた彼がモニカに片手を差し出した。

「自分で乗れます」

翼竜は伏せていてもその背はモニカの身長より高い位置にある。

「そこは素直に手を借りろよ」

自力でよじ登ろうとしてジタバタしているモニカにシュナイザーが呆れていた。