バンジャマンはひとりだけなにかに納得してゆっくりと頷いている。
「バンジャマンさん、教えてください。どうして私がこの置物や鶴を知っているのかもご存知ですか? 自分のことなのにわからないんです」
もやもやを晴らしてほしいと期待したのに突き放すようなことを言われる。
「覚醒したくば自分で答えを見つけることじゃ。お嬢さんにこれを差し上げよう」
老爺がポケットから出したのは、紅白の組紐にぶら下がった小さなガラス玉。
受け取ったそれを目の高さまで持ち上げると、ガラス玉の中で水が揺れた。
(これはアクセサリー? それとも魔よけのお守り?)
どうやって中に水を入れたのだろうと不思議に思って見ていたら、バンジャマンが目尻の皺を深めた。
「まずは自分に憑いている精霊に会って名前を聞きだすことじゃ」
(名前があるの? 教会の先生からは教わらなかったわ)
精霊の姿は聖堂のフレスコ画に描かれていたが、実物を見たことはない。
見える存在だとも思っていなかった。
どうしたら会えるのかと質問を重ねたけれど、バンジャマンは教えてくれなかった。
「ええと……」
隣で戸惑っているのはドニだ。
「バンジャマンさん、教えてください。どうして私がこの置物や鶴を知っているのかもご存知ですか? 自分のことなのにわからないんです」
もやもやを晴らしてほしいと期待したのに突き放すようなことを言われる。
「覚醒したくば自分で答えを見つけることじゃ。お嬢さんにこれを差し上げよう」
老爺がポケットから出したのは、紅白の組紐にぶら下がった小さなガラス玉。
受け取ったそれを目の高さまで持ち上げると、ガラス玉の中で水が揺れた。
(これはアクセサリー? それとも魔よけのお守り?)
どうやって中に水を入れたのだろうと不思議に思って見ていたら、バンジャマンが目尻の皺を深めた。
「まずは自分に憑いている精霊に会って名前を聞きだすことじゃ」
(名前があるの? 教会の先生からは教わらなかったわ)
精霊の姿は聖堂のフレスコ画に描かれていたが、実物を見たことはない。
見える存在だとも思っていなかった。
どうしたら会えるのかと質問を重ねたけれど、バンジャマンは教えてくれなかった。
「ええと……」
隣で戸惑っているのはドニだ。


