「はるか遠い島国なの。この世界で行ったことがあるのは私と前聖女ローラだけかもしれないわ」
ますますわからないと言いたげな女官の顔を見てモニカがフフと笑えば、自分のことかと勘違いした娘が嬉しそうに問う。
「お母さま、大きくなったら私も聖女なの?」
「フローラじゃなくてローラよ。あなたは聖女にならない。次の聖女は三百年先の誰かだわ」
「私も聖女になりたい。どうすればいいの?」
子供たちはまだ幼く、怖がらせないように大災厄や聖女の役目について教えたことはない。
ロストブのどこへ行っても母親が聖女様ともてはやされるのを見て、フローラは羨ましく思ったのだろう。
モニカは悲しげに微笑む。
「私はあなたが聖女になったら悲しいわ。ふたりとも精霊憑きじゃなくてよかったと思ってるの」
モニカは自分の数奇な運命についてはこれでよかったのだと納得しているが、子供たちには普通の幸せをと願う。
それはまぎれもない母心だ。
可愛らしく首を傾げたフローラをぎゅっと抱きしめれば、クリストフが焼きもちをやく。
「僕も!」
「クリストフはいつもお母様にくっついてるでしょ。今は駄目よ。自分に厳しくしなさい」
ますますわからないと言いたげな女官の顔を見てモニカがフフと笑えば、自分のことかと勘違いした娘が嬉しそうに問う。
「お母さま、大きくなったら私も聖女なの?」
「フローラじゃなくてローラよ。あなたは聖女にならない。次の聖女は三百年先の誰かだわ」
「私も聖女になりたい。どうすればいいの?」
子供たちはまだ幼く、怖がらせないように大災厄や聖女の役目について教えたことはない。
ロストブのどこへ行っても母親が聖女様ともてはやされるのを見て、フローラは羨ましく思ったのだろう。
モニカは悲しげに微笑む。
「私はあなたが聖女になったら悲しいわ。ふたりとも精霊憑きじゃなくてよかったと思ってるの」
モニカは自分の数奇な運命についてはこれでよかったのだと納得しているが、子供たちには普通の幸せをと願う。
それはまぎれもない母心だ。
可愛らしく首を傾げたフローラをぎゅっと抱きしめれば、クリストフが焼きもちをやく。
「僕も!」
「クリストフはいつもお母様にくっついてるでしょ。今は駄目よ。自分に厳しくしなさい」


