追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

今日は一月二日で、大災厄を鎮めた記念日である。

モニカは毎年、この日になると聖地を詣でることにしている。

聖堂の前でラクダを下りたモニカは、砂風と日差しから身を守るためのフード付きマントを脱いで従者に渡し、代わりに籠を受け取った。

中には供物の花束や果物が入っている。

本当はひっそりとここに来たいのだが、ロストブでは聖女として神聖視されているのでどうしてもぞろぞろとお供がついてくる。

今日もラクダ二十頭と、改革で一新された教会幹部、世話係の女官に護衛と、総勢三十一人のキャラバンとなっていた。

モニカが振り向けば、後から到着したラクダから女官と護衛の手を借りてふたりの子供が下りたところだった。

五歳の双子、フローラとクリストフだ。

フローラはブロンドの髪に黒い瞳の女の子で、クリストフは黒髪に青い瞳の男の子。

ふたりはモニカの愛児である。

無邪気な笑顔でかけてきた双子のうち、モニカの足に抱きついて甘えるのはクリストフだ。

「お母さま見て。ここを怪我して痛いの」

「どこ? あ、これね」