振り向かない彼を不思議に思い、その背に手を伸ばしたら――。
彼が前のめりにばったりと倒れた。
「シュナイザー!?」
砂地に伏せる彼は完全に脱力していた。
慌てたモニカは渾身の力を込めて重たい体を仰向けにし、顔についた砂を払って気づく。
「嘘、でしょ……」
青白い顔に生気は感じられず、瞼は半分閉じられていた。
揺さぶっても頬を叩いても反応がなく、胸に耳をつけても鼓動は聞こえない。
輝きを失った翡翠色の瞳は星空もモニカも映していなかった。
モニカはガクガクと震え、泣きながらすがりつく。
「やだ……お願い、私を見て。なにか言って。シュナイザー、シュナイザー!」
怖いほどに美しく、星のさざめきが聞こえそうなほど静かな砂漠に、彼を呼ぶモニカの悲鳴だけが響いていた。
*
聖女の正装である白いローブを纏ったモニカは、ラクダの背に揺られて聖地までやってきた。
ナツメヤシは緑の葉をそよがせ泉は透き通り、石壁の聖堂は変わらぬたたずまいでモニカを迎えてくれた。
ここは六年前の大災厄で砂に埋もれたが、その後一年かけてロストブの民が砂をかき出し、元の状態に戻された。
彼が前のめりにばったりと倒れた。
「シュナイザー!?」
砂地に伏せる彼は完全に脱力していた。
慌てたモニカは渾身の力を込めて重たい体を仰向けにし、顔についた砂を払って気づく。
「嘘、でしょ……」
青白い顔に生気は感じられず、瞼は半分閉じられていた。
揺さぶっても頬を叩いても反応がなく、胸に耳をつけても鼓動は聞こえない。
輝きを失った翡翠色の瞳は星空もモニカも映していなかった。
モニカはガクガクと震え、泣きながらすがりつく。
「やだ……お願い、私を見て。なにか言って。シュナイザー、シュナイザー!」
怖いほどに美しく、星のさざめきが聞こえそうなほど静かな砂漠に、彼を呼ぶモニカの悲鳴だけが響いていた。
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聖女の正装である白いローブを纏ったモニカは、ラクダの背に揺られて聖地までやってきた。
ナツメヤシは緑の葉をそよがせ泉は透き通り、石壁の聖堂は変わらぬたたずまいでモニカを迎えてくれた。
ここは六年前の大災厄で砂に埋もれたが、その後一年かけてロストブの民が砂をかき出し、元の状態に戻された。


