追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

それでもロッドを輝かせ続け、必死に魔力を注ぎ込む。

(まだやれるわ。ひとりだったらとっくに倒れていたかもしれないけど)

モニカにあたる風が弱いのはシュナイザーの魔力のおかげで、彼自身も盾となってモニカの前に立ち砂風から守ってくれていた。

「モニカ、あと少しだ。頑張れるか?」

「大丈夫よ。ありがとう」

こうして励ましてもくれるから、倒れそうになりながらもまだ持ちこたえていられるのだ。

(負けない。絶対に)

巨大竜巻の威力は確実に弱まっているが、距離はじわりじわりと詰められてわずか一キロほど先にある。

モニカの降らす豪雨も浴びてしまい、ふたりの体力はそがれていった。

(苦しい。あと少しなのに、これまでなの……?)

モニカのロッドが輝きを弱めると、すかさず砂風が強くなる。

「モニカ!」

飛びそうになった意識はシュナイザーの声に呼び戻され、モニカは最後の力を振り絞る。

そして、日が完全に落ちてから数時間後、ついに決着がついた。

竜巻はほどけて消滅し、嵐が嘘のようにやんで急に辺りが静寂に包まれる。

雨雲が晴れたら満天の星空が広がり、金色の丸い月も輝いていた。