追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

「リアヌと同じ綺麗な青い目をしてな、無邪気に駆け回って普通の子供に見えた。ただ水の精霊憑きということだけが特別なんだ。それなのに大きなものを背負わされて気の毒に。お前なら砂の化け物と戦えるか?」

それまで口を尖らせていたリアヌが真剣な顔つきに変わり、聖地の方を見た。

「ごめんなさい」

謝罪の言葉は祖父ではなくモニカに対してのようだ。

それからは祖父と並んでテーブルにつき、小さな手を組み合わせてモニカに届けと一心に祈るのであった。



『大災厄が大地を飲み込まんとせし時、水の精霊に愛されし巫女、豪雨を三日三晩降らせて鎮めたまう』

古い歴史書に記されている通り、聖女の戦いは三日目の夜に突入していた。

美しかった聖地はナツメヤシの葉や聖堂の屋根が見えるだけで砂に埋もれてしまった。

モニカとシュナイザーのいる外祭壇だけはふたりの発する魔力によって落ちくぼんだように残されているが、モニカの波打つブロンドの髪も婚礼衣装も砂まみれである。

しかし、そんなことには意識が回らない。

立つこともできないほど憔悴したモニカは両膝を外祭壇に落とし、息を乱していた。