追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

天候を操る強大な魔力を見せつけられたシュナイザーが、隣で息をのんでいる。

けれどもすぐに瞳の険しさを取り戻し、モニカの隣で両手をかざした。

竜巻とは逆巻きの風を吹かせて対抗しようというのだ。

風使いとしては最上級の魔力を誇るシュナイザーであっても、聖女には到底及ばない。

やはり大災厄を鎮められるのは聖女のみ。

それでもモニカは心強く、安心してありったけの力をロッドに込めるのだった。



ロストブの王都は強い風が吹き抜け、景色は砂にけぶっている。

王侯貴族や聖職者、町の民も皆が屋敷内に深くこもり、大災厄が鎮まるのを祈りながらじっと待っていた。

ここは町の小さな食堂で、営業は当然休んでいる。

いつもは賑やかな店内に響くのは、ガタガタと窓や戸が鳴る音と子供のぼやき声のみ。

「まだ終わらないのかな。砂しか見えなくてつまんない」

六歳になったばかりの食堂経営者の孫娘、リアヌである。

青い瞳を持ち鼻の付け根にそばかすを散らしたリアヌが、窓ガラスに額をつけて誰もいない通りを眺めていた。

ランプを灯した店内のテーブル席にはリアヌの祖父がいて、目を閉じ祈りの中にいる。