一年の終わりにバーヘリダム皇帝が妃を迎える。

冬晴れの柔らかい陽光に照らされて降り積もった雪が輝き、このよき日を祝福しているかのようだ。

三百年の歴史があるという城下の大聖堂は荘厳かつ重厚な外観で、中に入ればステンドグラスのバラ窓やフレスコ画、彫刻で壁や天井が飾り立てられ美しい。

婚姻の儀は一時間先で、花嫁控室にはモニカの明るい声が響く。

「贈り物がこんなに!」

丸テーブルに山と積まれた小包や箱は、検閲が済んでいるので包装は解かれている。

貴族の名が記された箱を開けると、大粒ダイヤのネックレスが現れてモニカは目を丸くした。

「こんなに高価な品をいただいてもいいの?」

モニカが問いかけた相手はシュナイザー。

彼は少し前にモニカの様子を見に訪れて、それから居座っている。